過去、現在そしてこれからの春吉の魅力を語るコラム
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春吉のイメージ写真と編集後記
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あっぱれ晴好バックナンバートップ>第2回 ホルモン みすみ

第2回
「嗚呼、素晴らしきかな!
  1品勝負でまもなく40周年」

 〜 ホルモン みすみ 〜

京オリンピックの翌年(1965年)から、「ホルモン串」1品だけで勝負している飲食店が春吉にある――この不景気なご時世に、そんなアンビリーバボーなことがあってなるものか! 
意味もなく、半ば憤りながら、オイラはその匿名希望のハガキに目を通した。タレコミ情報は冒頭の1文とフリーハンドで描かれた汚い地図だけという、モノカキの好奇心をくすぐる親切ぶりだ。
秋雨上がりの午後6時半過ぎ。赤ボールペン1色でグチャグチャと描かれた地図を頼りに、国体道路からローソンの角を曲がり春吉大通りに入る。3本目の筋を右に曲がると目に入る「ホルモン みすみ」の看板。うーん、ココなのか? 
だってハガキには目的地を4角く塗りつぶして、「ココ!」って書いてあるだけで、店名が明記されてないんだもーん。看板がなければ普通の民家といった外観だ。
いや、まちがいない、今回の舞台はココだ、ココに決〜めた!
昭和にタイムスリップ!物腰の柔らかい大将が登場!

▲熊本・阿蘇産のホルモンが中心。その日仕入れたホルモンを塊から捌き、違う部位4種を串に刺す。1日平均200本は出るとか。今までの最高記録は1人で69本!
き戸をガラガラと開けると、控えめな「いらっしゃい」の声。BGS(バック・グラウンド・スメル←もちろん造語)は、甘いミソの香りだ。3坪ほどの店内はカウンター席10席のみ。ぐわんぐわんぐわんと自己主張が激しい婚礼ダンスのような大きいクーラー、幾度も修繕が重ねられた黒いビニール地の丸イスなど、昭和のノスタルジーが随所にちりばめられている。
で、すでにほどよく酔いが回っている紳士が数名。おっ!
女性客もいるぞ!と黙認するやいなや、迷わず女性の隣に座る。20代半ばといったところか。ショートカットがよく似合う、かとうかずこ(古いですかね、例えが)似。気が強そうな、ちょっと同業者(ライターもしくは編集者)の香りも漂わせている。んが、そんなことはどーでもいい、今晩はこの娘とアバンチュール・・・うふふ(勝手な妄想が続く)。
−閑話休題−

ニューは、情報通り、ホルモン串(1本150円)だけだ。カウンター越しにある、プールみたいな底の浅い鍋で串に刺した牛モツをミソスープで煮る1品。イスに
座ると、外見や物腰、すべてがなんとなく控えめな(あくまでもオイラのイメージです)大将から、「はい」とミソスープの中で串が3本踊る小皿を手渡される。注文せずとも供される「元祖 長浜ラーメン」スタイルに、ちょっと面食らったオイラは「とりあえずビールを1本ぐらい・・・」なんて、いかにも日本人らしい優柔不断な注文をしてしまう。
壁に書かれたメニューを見ると、アルコールは5種類の瓶ビールと本格イモ焼酎「霧島」、日本酒、生酒があるらしい。今日は「焼酎お湯割り梅入り」にしようと決めていたのに・・・。
「はい」とキリンのマークが入ったおきまりのコップとビール瓶を差し出す大将。彼は基本的に浅いプールで穏やかに煮えているホルモン串とミソスープのコンディション管理に夢中だ。

落ち着け、とにかく落ち着くんだ!人のふり見て・・・

見(いちげん)の客と悟られないために、もっと情報を仕入れなければ!と、ビールをコップ注ぎながら隣席に座る女性・カズコ(勝手にそう呼び始めた)の様子を横目でしばらくうかがう。彼女はホルモン串に山盛りの「刻みネギ」と「一味唐辛子」をかけて食べている。
ネギ・唐辛子はカウンターに置いてあり、「弥太郎うどん」「因幡うどん」「牧のうどん」と同じくセルフサービスらしい。「あーん、フジオさん、これって本当にやみつきになりますね〜」と、カズコ。
ふむふむ、大将の名前は、フジオさんというのか。店名が「みすみ」だから、たぶん、ミスミ フジオさんだな、それにしてもTシャツと無精ヒゲがよく似合うなー、ふむふむ。
てなことを考えているうちに、小皿のスープを飲んでしまったカズコは、目の前にあるオタマでプールのような鍋から勝手にスープをすくい小皿に注ぎ足している。
「ふーん、常連なんだな、カズコのヤツ」と、オイラは心の中でつぶやいたのも束の間、さらに、彼女は鍋のふち縁の手前に並べてある串も勝手に取っているではないか!しかも悪びれるところは全くない満面の笑顔で、だ。
カズコ・・・もとい、ホルモン串の魅力とは何ぞや!

段は「ニヒルなポーカーフェイス」で通っているオイラだが、ちょっと動揺してしまったらしい。目ざとくオイラのこわばった表情を読み取った大将フジオさんは「ビックリしました?」と柔らかい物腰でひと言。ここからフジオさんとのトークが始まった。
▲無添加の佐賀県産・白ミソをベースにしたミソスープはあっさりとした口当たり。あらかじめ下ゆでしたホルモンを、30分ほどミソのプールで泳がし味付けする
「お客さん、この店は初めてですよね」
「いえ、まー、はい、どもども・・・」
「ココは自分のペースで好きなだけ取って食べるスタイルなんです。お会計は串の数を勘定すれば分かるってヤツですね」 「ほー、なるへそ」 「ただし、ホルモンは手前から取って召し上がってください。お客さんに取りやすいように手前に置いてあるのが、ちょうど食べ頃の串ですから」
そのやりとりにそば耳を立てていた隣席のカズコは「ふふん・・・」と冷ややかに鼻で笑う。あー知りませんよ、知りませんでしたよ、とオイラは半ばヤケになりながら、ホルモン串を口に運ぶ。なんとも上品な味わいのミソ煮込みだ。他店にありがちなホルモン臭さを隠すための強い味付けではない。 薄口の白みそを使うあたりはホルモンの鮮度によっぽどの自信があるのだろう。串にはそれぞれ食感の違うホルモンが4種類つないである。
この食感の違いが飽きさせない1つの要素かもな。うーん、シンプルだけど奥が深い。

必要以上にカズコを意識するオイラ。そして、哀愁の刻みネギ

▲「新メニューなんて開発したら、バランスが悪くなって店がおかしくなる」と1品勝負スタイルを崩さない、生まれも育ちも春吉の大将・
三角藤夫さん(48歳)。
元ツアーコンダクター
あっぱれ晴好バックナンバー
称ホルモン博士(人体のホルモン分泌に関しても明るい)のオイラは、カズコの注意を惹こうと「このホルモンは下から、シロ、ガンズ、赤センマイ、ハチノスですね」とフジオさんに話しかける。
「お客さん、すごいですね〜。もしかして同業者ですか?」
「いえいえ、まさか、ただのホルモンフェチですよ、てへへ」
と、照れてみたところで、カズコの食いつきは鈍い。間を持たせることができずに、今度は目の前の「刻みネギ」と「一味唐辛子」を振りかけて食べてみた。また、これはこれで味のアクセントになるなぁ、ハグハグ・・・。う〜ん、こりゃやめられん。
なーんて、ビールをチビリチビリやりながらホルモンを色んな角度から満喫していると、再びカズコの「ふふん・・・」という嘲笑が!!そして彼女はこう付け加えた。
「あーら、お客さん困りますねー。刻みネギは1椀100円でお求めください。タダじゃございませんことよ、おほほほほ〜」
すかさずオイラは「ふふふっ、完敗だぜ、セニョリータ!ふたりの間接キスならぬ、間接ネギの記念にまずは乾杯しよう」と、カズコに熱い視線を合わせるべく横を向く。
「フジオさ〜ん、あたし、そろそろお勘定!ネギの代金は隣のこのオジサンにつけといてね」
(取材・文・構成/くりしん)

<ホルモン みすみ>
住所 :福岡市中央区春吉3-24-21  電話 :092-731-4779 
営業時間 :17時〜22時  休み :日曜日、祝日  駐車場 :なし
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