過去、現在そしてこれからの春吉の魅力を語るコラム
様々な方が春吉への思いを熱く語るインタビューです
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あっぱれ晴好バックナンバートップ>第3回 都湯
 

第3回
「いや〜ん、うそ〜ん
たった510円で極楽気分が味わえて美人にもなれるって本当!?」

〜 都湯 〜

走の寒風吹きすさぶ夜。
オイラは西中洲にある1軒のBARに立ち寄った。照明を軽く落とした店内はカウンター席のみ。
低く通る声で「いらっしゃいませ。どうぞ、こちらに」と、先客の女性が座る席の隣を勧める初老のマスター。
初めて入った店なので少し躊躇う。 が、女性の横顔をチラっと盗み見たところ肌の張りは20代半ば。
仏頂面をキープしながらも、心のなかでは小躍りしながら隣に座った。シングルモルトをロックで注文すると、間もなく、若い女性がマスターに語りかける。「そろそろお勘定。で、さっきの話の続きやけどね、ぜひ奥さんか愛人に勧めてみて!だって510円持って行けば、あとはなーんにもいらないんだから。極楽よ」
 おーい!もう帰っちゃうのかい?そりゃないぜ、セニョリータ!なんてオイラが心の中で強く叫んでみたところで状況は変わるはずもなく、彼女はさっさと店を後にした。「お持たせしました」とグラスとつまみのナッツを差し出すマスター。オイラはグラスに口をつけて、ひと呼吸置いた。と、マスターがこう切り出す。
「さっきの彼女、歳はいくつぐらいに見えました?」
「20代半ばってとこかな?」と正直な感想をもらす。
「そう思うでしょ?でも実際は34歳だって。彼女から免許証を見せられました。僕もお客さんもダマされやすいタイプですね、フフッ。なんでも、あの若さを保つヒミツのキーワードは、春吉&手ぶら&510円です。で、その答えは・・・」
「おっと!それから先を言うのはよしてくれ、セニョール!お勘定はココに置いとくぜ!」
【春吉】という地名が出てきた以上、自分で調べないと気が済まないオイラは、シングルモルトを飲み干し、外に出た。
春吉&手ぶら&510円・・・・ 創業から100年以上続く銭湯「都湯」

日の夕方、精鋭ぞろいの春吉探検隊を招集。
分かっていることは【春吉&手ぶら&510円】と【若さ】。これだけの情報を頼りに春吉探索を開始した。 国体道路か春吉本通りに入り、しばらく行くと「ランチ500円」の看板を掲げる飲食店がいくつか目に入る。
【春吉】&【手ぶら】、もしかしたら【若さ】にも当てはまるかもしれないが、あぁ、神様、10円足りません・・・。 かれこれ5時間探し回ったが、何1つ手がかりが掴めない。寒さと疲労が体力をどんどん奪っていく。なかばフラつきながら春吉大通りを歩くオイラの視線の先に「都湯」の文字!!
創業100年以上、3代続く老舗の銭湯だ。ちょいと30年くらい前はこの春吉近辺にも5軒ほど銭湯はあったが、今はココだけ。通り沿いに面した「都湯」は、入り口が男湯と女湯に分かれている。
まさに名曲「神田川」の世界だ。床屋と銭湯は庶民の社交場。もしかしたら何か情報が掴めるかもしれない。思い切って男湯の暖簾をくぐった。
番台に座るおかみさんの微笑みにクラクラのメロメロ!

▲「ありがとう、帰り際のこの一言で全てが報われますね。お客さんはみんな優しい人ばかり。体力が続く限り死ぬまで番台に座ります」とおかみさんの内田恵子さん
に入ると「いらっしゃい」と目線より少し高い番台から、おかみさんの優しい声。
脱いだ靴を靴箱に入れようとするが、「3番」は既に使用中だ。別に話を聞くだけなのに条件反射とは何とも恐ろしい。長嶋の背番号はあきらめよう。じゃあ次は、王の「1番」だな。
うっ!これも使用中。なんともツイてない(この間わずか3秒)。 おとなしく「2番」の靴箱に靴を納め、視線をあげると壁に料金表が貼ってある。
大人380円、中人170円、小人60円、洗髪0円。
やっぱりココも【510円】とは関係なさそうだな。とりあえず話を聞くべく、土間から脱衣場に上がり番台に近づく。
「あの〜はじめまして・・・」 「はい、はじめまして。入浴料は380円です!」と答えるおかみさん。笑顔は菩薩様のようだ。
あの肌ツヤの良さは40代半ばぐらいだろうか?
内面から美しさがにじみ出ている綺麗な人だ。(おかみさん分析、この間わずか0・5秒)。 色んな意味で気押されたオイラは「えっ!あっ!はい!」と何だかドギマギしながら、ズボンのポケットから小銭を出す。
「はい、ちょうど頂きます。よろしければ、貸しタオル、使い切りシャンプー&リンス、小さな石けんもありますよ」
「じゃあ、全部お願いします。おいくらですか?」と勧められるがまま言いなり状態のオイラ。
「貸しタオルが20円、使い切りシャンプー&リンスが各40円、石けんが30円、合計130円ですね。どうぞごゆっくり!!」
久しぶりの銭湯! 礼儀とシキタリを反芻するオイラ

で編んだ脱衣カゴを手元に引き寄せ、探検隊の制服を脱ぎはじめる。
「お客さん、ウチは初めてでしょ?住まいはこの近く?」とおかみさんの柔らかな声。
オイラは「ええ、今年で27歳になります」とトンチンカンな答えをしてしまう。「あら、そう?私もこの番台に座り始めて27年目なんです。同じですね、うふふ」と、そんな会話を交わしながらもモゾモゾと風呂に入る身支度をする。
 銭湯に来たのは20年ぶり。小学生の頃、家の風呂釜が1週間ほど壊れた時にニーチャンと通った以来だ。たった1週間だったが、「こら!走り回るな!」「おい!使った桶とイスをきちんと片付けろ!」「きちんと体を洗ってから湯船に浸かれ!」「タオルは湯船に浸すな!」「湯は熱いのに入るのが粋なんだ、冷水を足すな!」「おい、坊主!背中を流せ!」「コノー!子供の分際で湯上がりにタオルで股間をパチーンと叩くな!」なんて、どこに住んでいるかさえも知らないオジさんやジーちゃんたちに怒鳴られたなぁ(この回想にかかった時間は脱衣所から浴場に入るまでのわずか3秒)。
子供からお年寄りまでが集うふれあいの場!パープルカラーの湯の謎!?

▲銭湯ならではの備品がそろう脱衣場。今では珍しくなったビン牛乳(110円)をはじめ缶ビール(250円)も販売している。
入浴回数券もあり(10枚3600円〜)
ラガラと引き戸をあけて浴場に入った。
先客はお年寄り1人、オジサン1人、中学生ぐらいの少年2人。皆、壁に備え付けてある鏡&シャワー付きカランに向かってイスに腰掛けている。それぞれ頭や身体をキレイに洗いながらも共通の話題【ホークス】で盛り上がっているから面白い。この【裸のつきあい】が銭湯の大きな魅力だろう。
壁に富士山のペンキ絵こそないが、天井が女湯とつながった「おーい幸子!そろそろ出るぞー」 「は〜い!あなた」ができるクラシックスタイルだ。そして大きな湯船が2つ。
壁の効能書きに泉質は肌もしっとりする軟らかい湯が特徴の【セラミック鉱泉】とある。 そして、よ〜く見ると、ひとつの湯はパープルカラー、紫色だ。
 空いているカランで身体を洗い始めたオイラは鏡を使って客人たちをチラチラ観察する。
まもなく皆、湯船に向かいはじめた。向かった先はパープルカラーの湯だ!「う〜っ」「あ〜っ」「極楽やね〜」と、それぞれ口々に言葉をもらす。「このコラーゲンの湯ば、かーちゃんにグビグビ飲ませたらどうなるやろ?」とオジサンの一言!

な、なに〜?コラーゲンの湯? ねぇ、おかみさん、オイラの話も聞いて!

ジサンの一言で身体を洗う手が止まってしまったオイラ。えっ!!コラーゲン!?
コラーゲンってパープルカラーなのか?ともあれコラーゲンは【若返り】チームのトップバッターではないか!あぁ、真実が知りたい!!でも、やっぱり常連じゃないと入っちゃダメだろ!うーん、そんなことはない、同じ金額を払っているんだから、いや、今日のところは湯船に浸からずおとなしく退散しよう・・・。 勝手に自己完結、意気消沈しながら脱衣所に出た。
ちょうど、おかみさんは女性客と番台越しに【白和え】談義に花を咲かせている。そのやりとりを聞くと、女将はとても聞き上手らしい。
あぁ!おかみさん、すぐに着替えますからオイラの話も聞いてください!
とりあえずパンツを掃いて、次に30円でドライヤーを使って髪を乾かそう。そして、せっかくだから、イス式マッサージ機にも座って5分で20円。いいや、そんなことしていられない!
もうちょっとで着替え終わりますからね、どうか逃げないで、おかみさん!!
春吉&手ぶら&510円と若さ・・・・全て謎は解けた?!

「ど
うもありがとうございました」 「す、すいません。ちょっとおたずねしたいことがありまして…」 「はい、何でしょう」 「コラーゲンの湯って何ですか?」
「ここ数年ずっと使っている入浴剤です。ウチの活性鉱泉水と合うみたいでね。 肌がしっとりツルツルになるって、お客さんにとても評判が良いんです」
「もしかしておかみさんも入ってるんですか?」
「もちろん!私も営業が終わって入っています。最近、2人の娘にも、お母さん、若返ったね、って言われるんです。とはいえ、あと数年で還暦を迎えるんですけどね、うふふふ。
お客さん、また浸かりに来てください、手ぶらでも510円で済みますからね!」

(取材・文・構成/くりしん)

<都湯>
住所 :福岡市中央区春吉3-15-19  電話 :092・761・2592 
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料金 : 大人(中学生以上) 380  中人(小学生) 170
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