過去、現在そしてこれからの春吉の魅力を語るコラム
様々な方が春吉への思いを熱く語るインタビューです
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春吉のイメージ写真と編集後記
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あっぱれ晴好バックナンバートップ>第5回 春吉福鳥
 

第5回
「最愛のメアリーは何処に?!
カギを握る鳥博士に“博多水炊き”を教わる」
〜 春吉福鳥 〜

「保
育園の近くに活字と料理が大好きな鳥博士がいるらしいわ」――ちょうど1年前のバレンタインデーの夜に部屋の卓袱台にあった、謎の書き置きだ。その当時、春吉探検隊の秘書を務め、且つ、オイラと同棲していたブロンド美女メアリー。彼女はそう書き残してオイラの前から忽然と姿を消してしまった・・・・・・。
「今年は酉年、今月はバレンタインデー。取材ネタはそのあたりで夜露死苦(ヨロシク)!」と「神の声(=晴好実行委員会)」が聞こえた、ある早朝。オイラは一人、今回のネタはどうしようかなぁと考えながらも、脳ミソの片隅で「残された手がかりは鳥博士かぁ・・・やっぱり野鳥の会会員なのかな?最近は紅白歌合戦には出てないなぁ、野鳥の会。博士は空を飛べるのかなぁ?」なーんて、うっすらとメアリーとの思い出に浸りながら、寺町通りを南に向かいほっつき歩いていた。
無邪気な子供の声に誘われて・・・

【福
岡春吉郵便局】を過ぎ、【めしや たらふくまんま】の角に差し掛かると、こんなに朝早くから子供たちの元気にはしゃぐ声が聞こえてくる。斜向かいにある【福岡中央保育園】からだ。あぁ、メアリーにもこんな少女時代があったんだろうな、とセンチメンタルになりながら、そういえば【保育園】は【鳥博士】を探す1つの手がかりだったのだ、と気が付くオイラ。
あわてて周囲を見回し、後ろを振り返るとキュートなニワトリの絵が描かれた壁面に【HARUYOSHI FUKUCHO】とローマ字で書いてある。社屋であろう建物の隣には一軒家があり、社屋と家の前は駐車スペースになっているようだ。
社屋に近づき、よくよく観察すると【春吉福鳥】と郵便受けに書いてある。ココには【幸福を呼ぶ鳥】がいるのだろうか? 【幸福】は実に恐ろしい。その恐ろしさは幸福が規定できないものだからだ・・・なんてボーッと考えながら社屋の窓から中を覗くと、数人の男性が大きな作業台に向かって何かしているようだ。大丈夫、オイラには【春吉探検隊】の名刺がある。コレさえあれば春吉では怖いものは何もないのさ(そんなわけないです、本当は・・・)。
躊躇(ためら)わず「ごめんくださ〜い」と引き戸をガラガラと開けて中へ突入した。
鶏肉・鶏卵の業者向け卸を手がける【春吉福鳥】

▲朝9:00前後、落とし立ての丸鶏を社屋内で捌く。
が、「あわわ、あわわ、どうか命だけはお助けてくだせぇ、お代官様〜!」と思わず、ひれ伏したくなる光景が眼前に広がる。手に包丁を持った男達がスルドイ視線をぶつけてくるのだ(実際はそんなことありません、全く)。
ずりずりと後退るオイラの肩を誰かがトントンと叩く。恐る恐る振り向くと、「メアリーの友達やね?ずいぶんと待っとったばい」とやさしい語り口&柔和な笑顔の男性がオイラに名刺を渡す。【春吉福鳥】のご主人・元木良一さん(73歳)の登場だ。
「まずは初対面なので自分のことを話そう」と、しゃべり出すご主人。【春吉福鳥】は天神や中洲、博多駅の飲食店約70店や福岡済生会病院、ホテルなどを中心に鶏卵・鶏肉を卸しているという。包丁を持った男性たちは鶏肉を捌いていたのだ。
5・15事件が起きた昭和7年、元木さんは博多区上小山町(お櫛田さんの鳥居そば)にあった【元木運動具店】の長男として生まれた。実家は福岡初の運動具店だったそうだ。
昭和27年、20歳を迎え、当時、柳橋連合市場の入り口にあった【福岡食鳥】に就職する。福岡では指折りの鶏肉鶏卵卸業者だ。新聞紙で包んだ鶏肉を自転車の荷台に乗せて朝から晩まで休みなく配送する日々が続いた。当時は物資難で雨合羽やジャンバーなどもなく、雨や雪が降った日や寒い日の仕事はとても辛かったという。
22歳の時に【福岡食鳥】春吉営業所の責任者に抜擢される。これが春吉と大きく関わるきっかけとなった。春吉営業所は、当時、小規模な商店がひしめき合っていた【春吉マーケット】(現 ヒヤムタビルのそば 現在はない)内にあった4坪ほどのスペースで、小売りをメーンに小規模な卸も手がけることになる。
▲モモ身、ムネ身、ササミ、ガラ、胴ガラ、セセリ、テール、ナンコツ、手羽先、手羽元、皮など部位ごとに切り分ける。捌くスピードは内臓を除けば1羽あたり1分ほどで完了する。まさに職人技だ。
順調に営業所の業績を伸ばした元木さんは、カラーテレビの本放送が始まった1960(昭和35)に結婚。40歳で独立し現在地に【春吉福鳥】を構えた。ここを本社に、春吉マーケット(春吉店)、スーパーまるつね(荒江店)、スーパー丸衆(港町店)などにも当時は出店していたそうだ。ご主人の春吉歴は今や半世紀以上にもなり、奥さんとの間に授かった3男1女をこの町で育てあげた父親でもある。
嗚呼、果たして、この元木良一さんはメアリーの書き残した【鳥博士】なのだろうか?(コラ!もうマンネリだよ、話の展開が!)
テレビばっかり観ていたらダメ。人間はイマジネーションが大切です

▲社屋横、ご自宅の一角に数百冊ある【あおば子供文庫】の蔵書。子供たちが自由に出入りできるようにと専用の出入り口まで設けた心遣いだ。今は元木さんご自身がお孫さんに朗読するためにしか使われていない。もったいない限りだ
「と
ころでご主人、活字は大好きですか?」
「政治経済、ノンフィクション、自然科学ものが特に好きやね。昔は月に2〜3万円は本に費やしとったよ。本を読んで色々と頭の中で想像する作業は大人だけやなく子供にも必要やろうと思ったけん、40年ほど前、自宅の1部を改装して町内の子供たちのために【あおば子供文庫】を作ったっちゃんね」
おおっ、スゴイ!文庫まで作るとは!!
元木さんの話によると、近所にチラシを配り呼びかけて昔話や偉人伝など色々な本を集めたという。さらに同じ春吉校区の小川印刷に頼んで【会員証】を作り子供たちに発行、ハタ工芸社に発注し【看板】を作ってもらったそうだ。一時は150人ほど会員がいてバーベQ大会なども開催していたという。
「ばってんくさ、今は子供が少のうなったけん、誰も使こうてくれんったい」と寂しそうに遠くを見つめるご主人。そうなんです、今でもこの【あおば子供文庫】は利用できるんですぜ、おっかさん!子供には【携帯ゲーム】、なーんて安直なご機嫌取りはもう古い!子供には【本】、これがトレンドですぜ、おとっつあん!
炊き過ぎては絶対にイカン!と【鳥博士】は博多水炊きを熱く語る

「と
ころでご主人、料理は大好きですか?」
「昔から好きやね。特に博多名物の水炊きにはちょこっとウルサイばい。まずは鍋に鶏肉ば入れて、ヒタヒタになるくらい水ば張るやろ?ポイントは炊き過ぎんこと。丁寧に灰汁を取りながらくさ、沸騰したら8分で鶏は鍋から上げるったい」
うーん、なるへそ。
ご主人曰く、8分以上炊いたら鶏肉の旨味が全部飛んでしまうらしい。食べる時にはまず鍋に白菜、深ネギ、シメジ、エノキなど野菜から入れて最後に鶏肉を投入するほうが好ましいとか。具に自家製の鶏団子を入れることもオススメで、元木家では鶏ミンチに塩と溶き卵を加えてかき混ぜ、隠し味に味噌を少し入れて作るという。鶏肉の旨味がぎっしり詰まった水炊きは柑橘類を絞った醤油ダレで味わう。これが半世紀以上も鶏肉と向き合い、鶏肉を知り尽くした【鳥博士】の博多水炊き秘伝レシピだ。
小売りも手がける【春吉福鳥】。気軽にドアを開けてみよう!

▲ご主人の元木良一さん。趣味は読書、料理以外にもカメラ、写真や山登りなど多岐にわたる。子供文庫開設と同時期に町内会ソフトボールチームのユニホームを作ろうとバザーを開いたという大の子供好きでもある。日々、晩酌と朝の連続テレビ小説(NHK)は欠かさない。
者向け卸だけでなく小売りも手がける【春吉福鳥】では、【はかた一番どり】や【博多華味鳥】などブランド鶏肉も、その朝に落とした新鮮なものが手に入るので、近所では「安心して美味しい鶏が手に入る」と評判だ。ガラなどで採ったスープは1升250円とリーズナブルですぐに売り切れてしまう。皮を軽く炙ったタタキも人気だ。
午前中、産地から届いた丸鶏を捌く光景が社屋の窓越しにチラリと見える。一見、ちょっと入りづらい雰囲気かも知れないけれど、何も臆することなく気軽にドアを開けて欲しいのねん。愛しのメアリーのことなんか、きれいさっぱり忘れさせてくれる【鳥博士】と美味しい鶏肉があなたを待っていますよ。うん?
 

あっ!まてよ!

【煮詰まりすぎた鶏と愛はイヌも喰わない】
【想像力の乏しい人とは毎晩愛し合えない】
【私のことはきれいさっぱり忘れて欲しい】

これが彼女の書き置きに隠されたメッセージだったのだ!

(取材・文・構成【一部フィクションを含む】/くりしん)

春吉福鳥(有)
住所:福岡市中央区春吉3-25-9
あっぱれ晴好バックナンバー
電話:092-781-1366
営業時間:9:00〜17:00(小売り)
休み:日祝日
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