過去、現在そしてこれからの春吉の魅力を語るコラム
様々な方が春吉への思いを熱く語るインタビューです
個性あふれる春吉の人、物、店を毎月紹介していきます!
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春吉のイメージ写真と編集後記
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あっぱれ晴好バックナンバートップ>第7回 博多めでた屋
 

第7回
「平成が何だ!郷愁の昭和レトロ大衆酒場にGO! 」
昭和レトロ酒場&バー
〜 「博多 めでた屋」
 〜

個性あふれる春吉の人、物、店を毎月紹介していきます!
ふふ、あはは〜ん、すっかりスプリング・ハズ・カムだわ〜ん。季節だけでなく、オイラの仕事にも、ついに、ついに春がやってきたのです。そう、5月から連載小説という大きな仕事が舞い込んできたのね〜ん。今晩はそのお祝いをしようと春吉に繰り出したのさ。1人で祝うのも寂しいので、ケータイ電話を駆使し色んな人に声を掛けた(もちろん女性に)。
んが、結局、誰も電話に出てくれず、今のところメールの返信もない。嗚呼、プライベートの春はいつ訪れるのか? でも、オイラはへっちゃらさ。だって連載小説だもんねー。
♪スキップ、春吉、ラン、ラン、ラーン♪ココは【キャバレー・ミナミ】があったのよ〜♪あそこは【焼きとり・まことちゃん】、今は生ビールが安いのさ〜♪グワシ&サバラで角を曲がると、渡辺通りの1本裏手、飲み屋街なのよ〜・・・・・ありゃりゃ、ゴールデンタイムなのに人通りが少ないぞ!?月曜日だから、まぁしょうがないか・・・。【キャバレー・ミナミ】があった頃は、すんごーく賑わっていたのになぁ。20軒ほどの飲食店やバー、喫茶店などが軒を連ねるこの通りに一歩足を踏み入れると、昭和にタイムスリップした感覚になっちゃう。でも、何となく、うら寂しいね・・・。
昭和の残り香が漂う酒場通りに潜入

っといけねー、テンションが【春】モードから【昭和枯れススキ】モードもしくは人生航路「責任者出てこい!」モードになってきているわん(何のこっちゃ?)。今日はこの通りの店をハシゴすることに決定!
さーて、1軒目はどこにしようかしらん、クネクネクネ(何故だか【デューク・更家・ウォーキング】)。おお、まだあったのね、会員制バー【かまはら】、昔はよく通ったものね〜、クネクネクネ。
うん?まてよ、バックするのだ、クネクネクネ(いいかげんしつこい!)。【かまはら】の隣にあった【猫屋】がなくなってるニャーン。新しい店の名前は、昭和レトロ酒場&バー【博多 めでた屋】だってさ。店先には【ホッピー】のノボリが立ち、お店の木の看板、【トリス・ウ井スキー】のホーロー看板、橋幸夫主演【月夜の渡り鳥】の映画パンフレット、【まねき猫】などがライトアップされているぞい!玄関のガラス戸からは白熱灯の優しい灯りが漏れてくる。
うーむ、昭和だねー。しかも【めでた屋】とは今日のオイラの気分にぴったりじゃねーか!関係ないけど4月29日の祝日は【みどりの日】から【昭和の日】になるらしいぞ。そんなこんなで(ってどんな?)1軒目はココにキーメタと、早速引き戸を開けて店内に入る月曜日の午後7時であった。
昭和30年代へタイムスリップ。
【バベルの塔】の向こうから響くダンディヴォイス

内に1歩入ると「いらっしゃい」とダンディヴォイスが聞こえる。んが、声の主が見当たらない。履き物を脱いで上がる畳張りの座敷が奥へと広がり、カウンター席とちゃぶ台席があるようだ。天井からは白熱灯がぶら下がる。壁には古い引き戸や欄間、悠久の時を刻む柱時計と昭和のスターが登場する映画ポスター、ホーロー看板・・・・まるで昭和30年代の平屋だ(内装をチェックするのにかかった所要時間はわずか3秒)。
BGMには水原弘「黒い花びら」、昭和の歌謡曲が流れている。 おっ!次はCMソングだ。何だか落ち着く、なごみの空間だ。どうやらオイラが本日最初の客らしい。
「奥のカウンターにどうぞ」と再びダンディヴォイスが響く。んが、声の主が見当たらない。何故だ?何故なの?ああ、分かった!入り口近くのカウンターにモノが積み上げられているからなのねん。うわーそれにしても酒瓶がいっぱいあるなぁ。えっ?なんだ、こりゃ?うず高く積み上がっているモノは?
おっとー、都会の片隅にひっそりとそびえ立つ現代版【バベルの塔】、その正体はおびただしい数のカンヅメだー(できればプロレス中継の古館伊知郎風に)。あっけに取られていると「おひとりですか」と3度(みたび)ダンディヴォイスが。
ダンディヴォイスの主、爽やかで男前の大将とご挨拶!

▲梶本裕二さん(44歳)
昭和35年、福岡市生まれ。学校を卒業後に就職、福岡、大阪、名古屋、仙台、東京などを転々とする。2003年4月に店をオープン。趣味はオトナのための酒場めぐり。花の独身貴族だ。
「え
っ!あっ!はい!たぶん1人です・・・」なんて訳の分からない返事をしながら靴を脱ぎ、カウンター席の奥に進む。カウンター内の板場で仕込みをしている声の主にやっとご対面である。 男前の顔立ちに似合う無精ヒゲ、アタマに巻いたバンダナまで似合うご主人だ。
「お客さん、この店は初めてですよね。私はこの店を1人でやっとります梶本祐二です。ヨロシク!」と何とも爽やかな印象だ。
「どもども、くりしんです、初めてなのでお願いしますから、どうか優しくしてください」なんて相変わらずチンプンカンプンな受け答えをするオイラに対して、さすがの梶本さんもちょっと引き気味である。
何とか場を取り繕おうと、「とりあえずビールを1本ぐらい・・・」なんて言ってみたもののアイマイ日本人の典型的な注文スタイル。1本ぐらいってどういうコトよ?2本じゃないんでしょ?が、1本でもないんでしょ?どーすればいいのよ!なーんて突っ込まれたらどうしよう。だけど、大将はあまり気に掛けることなくビールを冷蔵庫から取り出す。お出ましになったのは巷の居酒屋ではあまりお目に掛かれない、赤星(もちろんプロ野球選手ではない)の【サッポロラガービール】と昔懐かしい背の低いビールコップだ。いやはやココまでノスタルジックを追求しているとは!もう、リンダ、困っちゃ〜う!(昭和ですな、このノリは)
昭和、レトロ、ちゃぶ台がコンセプト

▲柱時計、引き戸や欄間などは梶本さんが築70年の実家から運び出したモノ。マンガ や雑誌なども梶本さんが子供の頃リアルタイムに読んでいたものが置いてある。駄菓子も販売。
ビグビ、プハーっとグラスを空けると梶本さんと目が合ってしまう。気さくな店主は「くりしんさんはこのあたりにお住まいですか?」と声をかけてくれる。もう名前を覚えてくれたのか。何だか嬉しい。
「まぁ、近くといえば近くなんですが・・・」と、またもや煮え切らない返事。さらに「良い雰囲気のお店ですね」なんて、当たり障りのないコメントを述べる。
「この店は【昭和】、【レトロ】、【ちゃぶ台】をコンセプトにしています。オープンしてまだ2年なんですよ」。
う〜ん、男なら死ぬまでに1度は星一徹のように【ちゃぶ台】をひっくり返してみたい!そんな男心に着眼するなんてご主人ったら何てスバラC(そりゃ明らかに方向性が違うだろ。どこかにある陶器を割ってストレス解消する居酒屋じゃないんだから)。
解き明かされる【角打ち】の真実?!オヤジばんざーい!

「初
対面で失礼ですが、以前もどこかで飲食店を?」
「いや、ココを始める前は全くの素人でした。趣味で【角打ち】など大衆酒場めぐりをしていたぐらいです。実は【角打ち】って方言なんですよ。関東や関西では【立ち呑み】って言います。3年前、久し振りに故郷・福岡に戻ってきてみたら、我々40代が気軽に楽しめる大衆酒場が繁華街からほとんど姿を消していました。これはイカンと自分で始めたんです。大人の社交場が本当に少なくなったと感じませんか?」
言われてみれば確かに。オヤジたちが酒をじっくりと飲める酒場は明らかに少なくなった。その点、大都市である東京にせよ、大阪にせよ、【立ち呑み】の文化はいまだに根強い。オトナの酒場文化がきちんとあるのだ。東京の下町っ子のようにソバ屋でツマミをアテに酒を飲むオトナが福岡にどれぐらいいるのだろうか?(この思考時間わずか0・3秒)
昭和レトロにこだわるニクイ演出。恐るべし180種のカンヅメ!

▲圧倒されるカンヅメの山!カンヅメの歴史は19世紀、ナポレンによって始まる。
将はさらにこう続ける。「もともと僕は【猫屋】の客でした。【猫屋】が閉店するのをきっかけに店を構えたんです。めでたき事があれば飲もう!で、【めでた屋】とネーミングしました。カウンター内側の壁にある【山本富士子】の月桂冠ポスターはウチの守り神です」と、ちょっと照れ臭そうに笑った。
純粋そうな人柄がその笑顔に滲み出る。きっと梶本さんのケータイメモリには女性の名前がズラリと並んでいるんだろうなぁ、かなりモテるんだろうなぁ、なんて独断と偏見に満ちた羨望の眼差しを向けるオイラ。
その眼差しの先には東京・浅草にある神谷バー発祥の【電気ブラン】、昔懐かしいラベルの【トリスウ井スキー】や【角】のボトルが並んでいる。カウンターの隅には昭和の雑誌やマンガ、アイドル写真などもあって思わず手に取ってしまう。百恵ちゃんにピンクレディ、浅田美代子に桜田純子、あの頃はみんな若かったなぁ。白熱灯に照らされるカウンターには【ボンタンアメ】や【都こんぶ】、【ココアシガレット】や【ビスコ】など郷愁を誘う駄菓子も揃っている。
・・・いや、オイラは何か大切な事を忘れている・・・・・・そうだ、【バベルの塔】だ!
「ところで、あのカウンターに積み上げられたカンヅメはオブジェですか?」
「アハハ、ウチの主力商品ですよ、アレは。ご要望に応じて温めたり、調理したりするんです。200円〜1200円まで約180種類を揃えています。たぶんここまで種類が揃っている酒場は他にないでしょうね。全て購入価格プラス100円の値段で提供しています。カンヅメは男の食べ物でしょ?女性はあまりカンヅメには興味がないんですよね。でもウチは女性客も来ますよ」
さすがはモテモテのご主人、しっかり女性たちにカンヅメのマーケティングまでしている。それでも店に女性がやってくるのは大将に興味があるからなのか(もちろんオイラの勝手な想像)。
楽し【カンヅメ】、美味し【料理】&嬉し【渡辺通り人情横町】

際にカンヅメを手に取ってみると何とも面白い!コンビーフ、サバカレー、味付けウナギにサンマ、イナゴの佃煮、スパム、カレイの縁側、蜂の子、インドネシアカレー、韓国版シーチキンなどヴァラエティに富む。このカンヅメのキャッチコピーや原材料表記を読むだけでも酒が楽しめてしまう。
人気のカンヅメは赤貝とオイルサーディン。赤貝は温めてシンプルに一味唐辛子をかけて味わう。温めたオイルサーディンは醤油やマスタードで味付けしてクラッカーに乗せて口に運ぶ。サバカレーはナンと一緒に、スパムはゴーヤチャンプルに、などアレンジは自由自在(学習参考書ではない)だ。
カンヅメ以外にも角天ソース炒め、昔ながらのナポリタン、くじらのカツ揚げ、五島うどんを使ったぺペロンチーノ、ドイツ料理アイスバインなど個性的なメニューが揃う。店主がウマイと思うモノを提供するのが基本らしい。
「この飲食街の通りにはきちんと名前があるんですよ。ご存じですか?」
「いや〜なんだろうなぁ、【痛快ウキウキ通り】かな?」
「なかなかイイ線だけど【南天神通り】が正式名称なんです。でも仲間ウチでは【渡辺通り人情横町】と呼んでいます」
「人情横町かぁ、良い響きですね」
▲昔懐かしい洋酒シリーズ。電気ブランはビールをチェイサーに飲むのがオススメ。
「そうでしょ?さぁ、くりしんさん、次は何を召し上がりますか?」
ノスタルジックな空間演出、梶本さんの人柄、負けてたまるか昭和自慢、過去を見つめ直す自分、美味い料理・・・様々な要素が複雑に絡み合ってどんどん杯を重ねる。
ビール、ホッピー、ハイボール、日本酒、芋焼酎、シングルモルトウイスキー、バーボンウイスキー、カクテル・・・仕事に春がやって来たからといって調子に乗って呑み過ぎかなぁ・・・。でも、本当にダラダラと呑むには最高のスポットだわさ。
酔っぱらうとロクなことになりゃしねー

っと!いけねぇ!どうやら酔っぱらって寝ちゃったみたいだ。見回すと他にお客はいない。オイラが寝ている間にやって来て、もう帰ったのだろう。ふぅ〜とため息をついて再びカウンターに突っ伏す。大将はカンヅメの向こうで何やら片づけをしているようだ。
「あーら、お目覚め?くりしんちゃーん、今晩はゆっくりしていってくださいね、うふふ」
おや?声の主はダンディヴォイスじゃないぞ?ハナに掛かった下卑た男の声だ。
驚いて顔をあげるとカウンター越しに見知らぬ女性、いや、よく見ると化粧をした青ヒゲの男性がオイラに熱い視線を投げかけている!梶本さんは一体どこに行ったんだ?パニックしたオイラは慌てて玄関に向って引き戸を開け・・・いや、開かない!!
「あら、そんなに焦らなくてもOKよ、表の照明は落としたから。今宵、あなたとアタイはこの店に2人だけ。カ・ン・ヅ・メ、なのよーん」

(取材・文・構成【わずかなフィクションを含む】 / くりしん)

※実際にお店では結末のような体験はできません。悪しからず。

昭和レトロ酒場&バー「博多 めでた屋」
住所:福岡市中央区渡辺通5-14-25 深町ビル1F
あっぱれ晴好バックナンバー
電話:090-5932-8801
営業時間:19:00〜深夜2:00
休み:日祝日
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