過去、現在そしてこれからの春吉の魅力を語るコラム
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あっぱれ晴好バックナンバートップ>第10回 平間饅頭店
 

第10回
「イジケた心に甘美な1個を!
和菓子職人道50年のまんじゅうばあちゃん現わる!」
〜 平間饅頭店 〜

個性あふれる春吉の人、物、店を毎月紹介していきます!
度ながら唐突ですが、オイラ、このたび54歳になりました。実年齢は32歳。でもね、ちょっと聞いてくださいよ、みなさん。聞くもナミダ、語るもナミダでやんす。
先日、新しく体重計を買っちゃいました。備え付けの棒を持ちながら体重計に乗ると、基礎代謝量や体脂肪率、骨格率など様々な数値を弾き出すスグレモノ。
当然、家に帰って早速、計測タ〜イム!と相成りました。
ふむふむ、体重はまぁこんなものだろう、
うへー、やっぱりカラダの4分の1が脂肪だよ、
いくら鈍感なオイラでも薄々は感づいていたけどね、
やりやがるなぁ、最新式(この表現がすでにオヤジ)は・・・な〜んて、和やかなムード(?)もここまで。計測器・右上のボタンをポチッと押すと液晶にこう表示されたのれす。

54歳・・・

れは体内年齢、すなわち、カラダの年齢だと説明書をパラパラと読んで理解。実年齢のほぼ2倍、カラダが歳をとっているんです、オイラ。正直ちょっと打ちひしがれてしまったのねん。
独断と偏見ですが、こんな心が少しイジケている時に食べたくなるものがある。
それは、誰が何と言おうと、「まんじゅう」だ。
あの、どちらかといえば地味で甘さ控えめな優しさ。特にちょっとイジケている時は、表面を覆う皮を爪の先でつまんでピリピリ引きはがしたくなっちゃう(テメーだけだ!!)。見事に皮がムケた時のあの満足感は、何物にも換え難い。
全体のフォルムとイメージは慎ましく清楚、それでいて甘美・・・♪お茶はぬるめの渋茶でいい〜、肴は炙った(炙るな!)まんじゅうでいい〜、しみじみ噛めばしみじみと〜、イジケた心に染み渡るぅ〜(「舟唄」八代亜紀ではない)。
う〜ん、考えれば考えるほど食べたくなっちゃった!!
まぁ、その前に、背脂たっぷりのラーメン食べて元気を出そう!(そんな食生活だから54歳なんだよ!)
まんじゅうばあちゃん?!路地から響く子供の声!

なわけで(どんなわけだ!!)、
己のカラダの現実に直面した翌朝8時、渡辺通沿いの「広瀬病院」脇の道を、一路「博多だるま」(そんな朝早くから営業してないだろ!)へ向かった。
その道すがら、どこからともなく元気な子供たちの声が聞こえてくるのねん。

「まんじゅうばあちゃん、おはよう〜」

「まんじゅうばあちゃん、いってきまーす」
▲平間美志子(ひらま・みしこ)さん
昭和33年、博多大丸の裏手にあった乾物店が、職人を抱えてまんじゅうを販売し始めたのを縁に修業する。とほぼ同時に、現在地に叔父さんと一緒に饅頭&文房具店を開店。後に饅頭店のみとなり今に至る。現在は娘さん夫婦と孫3人に囲まれて生活している。趣味は仕事と旅行。

むむむぅ? 「まんじゅう」と「ばあちゃん」のドッキング? それとも名字が「まんじゅう」さん? それとも「まんじゅう」しか食べない「ばあちゃん」?
兎に角、声の聞こえる細い路地に歩みを進めると、その角には年季の入った建物がある。白地に黒文字で「平間饅頭店」と書かれたビニール看板が、通りに向かって控えめに自己主張しているじゃあ〜りませんか!(チャーリー浜ではない)
「名物!甘酒まんじゅう80円」など8種類の「まんじゅう&もち」お品書きが店舗のガラス戸に貼ってある。その他にも「手作りちらし寿司350円」、「毎月1日、15日は赤飯あります」といった貼り紙も。
店先には何となく甘いまんじゅうの香りが漂っている。
しばらくすると「はいはい、おはようさん。ちゃんと勉強ばしてくるとよ?」と店先で子供たちに受け答えするおばあちゃんが登場!!
なるへそ、彼女の正体(おおげさだろ!)が「まんじゅうばあちゃん」だ!
あいさつを済まし元気に学校へ向かう子供たち。
「春吉探検隊」魂に火が付いたオイラは、吸い寄せられるように店内に戻るまんじゅうばあちゃんを追跡した(だから大げさだって!)。
チミ、チミ(キミ、キミ)!それは明らかに犯罪ですよ

ぢんまりとした飲食スペースの横に併設された作業場。通りに面するショーケースには甘酒まんじゅう、黒糖まんじゅう、桜餅、よもぎ餅、おすぎとピーコ(おはぎだろ!)が並ぶ。さらに、プラスチックの入れ物に盛りつけられた、色鮮やかな「手作りちらし寿司」と奈良漬け付きの「赤飯」も。そうか、今日は7月1日だから赤飯が店頭にあるんだな。何だか、めでたや、めでたや。
どうやら店の奥が住居につながっているらしい。まんじゅうばあちゃんは、しばし休憩タイムらしく姿が見えない。不用心だなぁ(実際は肉体派のお孫さんがしっかり店番をされています、悪しからず)
▲「もともと甘い物は特別好きじゃなかったばい。とにかく仕事は面白か!」と、よもぎもち(1個90円)を作る平間さん。ふんわりと愛情に包まれた仕上がり。出来たては格別の味わいだ。全て商品は防腐剤など使わない完全無添加。
その不用心タイムを有効活用しないわけにいかないオイラ。作業場を覗くと、中央にで〜んと鎮座する作業台。これは推察するに、設計技師だった「まんじゅうばあちゃん」のお父上が生前に使っていた製図板だな(勝手に決め込むな!)。
作業台の上には打ち粉がふられ、ボールにはアンコが・・・。
据え膳喰わぬは男の恥!と拡大解釈したオイラはアンコをちょこっと味見(不法侵入&窃盗だろ!)。う〜む、これは北海道十勝産の大納言アズキだな、粒々のほどよい残し具合が絶妙だね、隠し味の塩がアズキ本来の旨味と甘さを引き出している(どれだけグルメだ、テメーは!)。
それにしても、「まんじゅうばあちゃん」、戻りが遅いなぁ、心配だなぁ(何か間違っていませんか?)。
おおぉ!!今更ながら、作業場の隅でモクモクと湯気が立ち上らせている釜を発見!これは多分3代目だな(だから勝手に・・・もう知らないっ!)。ちょっくら失礼して釜のフタをオープン。およよ!セイロには「甘酒まんじゅう」がキレイに整列し頃合いよく蒸し上がっている。ひと目見ただけで種類と状態を判別できるなんて、よほどの「和菓子通」だな、オイラは。我ながら感心、感心。
名物!甘酒まんじゅうを勝手に喰らう!

は、据え膳喰わぬは男の恥パート2!ってことで、1個頂戴致しますよ、まんじゅうばあちゃん。
アヂヂッ!!やっぱり蒸したては違いますな〜。まずは2つに割るよ、アヂヂッ!!ほら、まんじゅうのアンコは水分が少ないから、刃物でスパッと切ったみたいな断面になるね、アヂヂッ!!と、同時に断面から立ち上る甘酒のほのかな甘い香りが鼻腔を刺激する。
んが!、ここで慌てちゃ男が廃ります。しみじみと断面を眺めた後は、片方の表面の皮を爪先でピリピリ、アヂヂッ!!ピリピリ・・・、嗚呼、でも、こんな路地でイジケた心の救世主に出会えるなんて。
さぁ、表面の皮をむいた片方を、いよいよ口に運ぶよ(明らかに食べ方を間違っている)、ポイッとな!
モクモクモクモク、モクモクモクモク(口の中の水分を吸収されながら食べるの図)、アンコを優しく包み込む皮は厚めだね。どれどれ、皮だけ食べてみよう。甘酒の芳香が口の中で花開くね。この皮の仕上がり具合とアンコとの味のバランス&ハーモニー。まんじゅうばあちゃんは、きっとこの道50年近くの職人さんだね(まんじゅうを手にとってから食べ終わるまでの所要時間はおよそ1分)。
あっ!声を出しちゃった!いよいよ未知との遭遇!

ゃあ折角だから、毎月1日&15日しか味わえない「赤飯」もご相伴に預かるとしますかね(だから、もてなしを受けてないだろ!)。お箸はどこかしら、お箸は。う〜ん、見当たらないな、お箸、お箸・・・
「すいませーん、お箸・・・」
おっと、これはヤバイ!!思わず声を出しちゃった!!!!
「はいはい」と奥から作業場へ向かう、まんじゅうばあちゃんの声が。
思わず口元をぬぐう(大福じゃないんだから口元に粉は付いてないよね)。
▲「ばあちゃんは職人として、とても口うるさいですね」と半年前に弟子入りした孫・康慎(やすちか)さん(30歳)。「文句を言うヤツがおらんとつまらんやろ!」とすぐさま平間さんの合い(愛?)の手が入る。
「あら?初めて見る顔やね。あっ、旅行社の新人さんやろ?確か今日やったもんね、打ち合わせ」
「そそ、そうです。前任から引き継ぎました、拙者くりしん、でございやす」
「そうね、鈴木さんから聞いとうとは思うばってん、アタシ、旅行はヨーロッパ専門やもんね」
「はい。かれこれ20回以上はお出かけになっていらっしゃるとか」
「それぐらいやね。死ぬ前にもう一度だけクロアチアに行って、エーゲ海クルーズを思う存分楽しみたいっちゃけどね」
「なるほど。今回のプランはいかがいたしましょう」(なりきり過ぎだろ!)
「そうやね〜、最近、孫とイタリアに1週間ほど出かけてきたばっかりやから。ドイツもいいね、ノイシュヴァンシュタイン城にはもう1回行きたかね。アタシはくさ、フランスは買い物目当ての若い人たちが行くところと思うっちゃん。う〜ん、白夜の北欧、ノルウェーも良かね。情熱の国スペイン・マジョルカでヴァカンスも悪くなか。インテリの多いイギリスも捨てがたかね。ばってん、食事はやっぱり日本食が一番美味いけん、北海道ってプランも良かね・・・」
神様、仏様、まんじゅうばあちゃん様

っぱり営業担当としては(違うだろ!!)、地道な情報収集も欠かせない。
「あの〜、不躾ではございますが、2、3質問があります・・・」
「なんね?」
「まんじゅう作りはどれぐらいで1人前になれるものなんでしょうか?」
▲康慎さんと一緒に朝6時から昼近くまで1日約300個作りあげるそうだ。その昔、まんじゅうを1日がかりでトラック一杯分作ったという伝説も!「甘酒まんじゅう」の看板は50年モノ!
「まぁ、発酵のノウハウが分かるまで3年はかかるやろうね。アタシは長嶋茂雄がジャイアンツに入団した昭和33年、ほら、ライオンズが稲尾の活躍で大逆転の日本一に輝いた年たい。それからず〜っとこの場所でやりよりますけん」
「毎日が楽しいですか?」
「そりゃ楽しかばい。こうやって店先に立てば、近所の人たちやお客さんともオシャベリできるけんね。まんじゅうを1個1個完成させて眺めるのが楽しか。もし作れんようになったらどげんしようって、いつも考えるったい」
「レディにお歳を伺うのは、失礼を承知の上ですが・・・」
「歳ね?鈴木さんから聞いとらんかった?アタシにその質問ばしたら取引はナシばい。顔を洗って出直して来んね!ほら、さっさ出て行かんね!」
はい、確かに仰せの通り!
歯グキや口のあちこちに残ったアンコを、ぬるめの渋茶で洗い流して、再び参上仕ります。まんじゅうばあちゃん、貴女のおかげでオイラのイジケた心も「ファイト1発!元気モリモリ」でやんす。感謝!!(コラツ!オチもぬるいぞ!)

(取材・文・構成【大部分のフィクションを含む】 / くりしん)

平間饅頭店
住所:福岡市中央区渡辺通3-1-8
あっぱれ晴好バックナンバー
電話:092-761-1571
営業時間:6:00〜18:00
休み:土日祝

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