過去、現在そしてこれからの春吉の魅力を語るコラム
様々な方が春吉への思いを熱く語るインタビューです
個性あふれる春吉の人、物、店を毎月紹介していきます!
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春吉のイメージ写真と編集後記
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晴好大通りバックナンバートップ>第3回

記憶にとどめておきたい
歴史のエピソードがある。
春吉にはこんな話があるそうだ。
〜想いを伝える〜春吉ON MY MIND〜
「自
分の街のことを本気で歌ってみたい」と、春吉3丁目にあるライブバー「なべ家」のマスター・なべさん(51)が「春吉ON MY MIND」という春吉の歌を作った。
約半年前からああでもないこうでもないと何度も歌詩を書き直し、お客さんのアドバイスも取り入れて11月末にようやく完成。「春吉の昔話を知人に尋ねたりして、詩にはめっちゃこだわったんですよ。毎日、昼間もメールで『これはどうか』とやり取りしあって一緒に考えてくれた(常連客の)会社員・Oさん(45)なんかプロデューサーですよ。おかげで詩に艶(つや)が出ました」となべさんは満足そう。しっとりとではなく、明るくテンポのいい曲調になっているのは、「春吉は昔からじめっとした暗いイメージがあった。でもそれは過去のこと。今、僕の中にある春吉は、そんなにネチョっとしてないよということを伝えたかった」(なべさん)からだ。

「ち
ょっと歌ってみよか」。アコースティックギターの軽快な音色にのせて、なべさんのハスキーで渋い声が店内に響いた。

この街昔はたくさんの 粋な旅籠が賑わいで 三味の音小唄に太鼓の音 響き渡った川向こう
秘かに佇む黄昏どきに 夢の帳が降りてくる 番町筋の細か路 夜の香りがすり抜ける
春吉橋から柳橋まで 気の向くままにどこかしこ
OH OH 春吉 君の心に OH OH いつの日か 春吉 ON MY MIND
老舗の店と洒落た店交ざればそれも楽しかろ 今も昔も変わらぬものは人の情けと温かさ!
OH OH 春吉 僕の心に OH OH いつまでも 春吉 ON MY MIND!!

べさんが、親富孝から春吉に店を移してもうすぐ4年になる。春吉にきてこれまで最も嬉しかったことは?と尋ねると、彼は少し間をおいた後、こう語った。
「同じ春吉の音楽仲間の友人から叱られたことですよ。あるライブイベントを催した時、出演してもらう友人にギャラのことを事前にきちんと説明しなかったんですよ。その時はお金が入要だったこともあって、少ないギャラしか払えなかったのでなかなか事前に言い出せなかった。
すると友人はこう言いました。『なべちゃんがやってくれって言うんだったら俺たちはギャラなしでも喜んでするよ。でも、はじめに事情をちゃんと俺たちに相談してくれなかったお前は、男としてつまらん。ここではそれはご法度やぜ』と。そんなに自分のことを思ってくれてるんかと、泣きそうになったですよ。そうやって自分を叱ってくれたことがとても嬉しかった。
春吉には僕と同じ音楽仲間がいっぱいいて、そんないい友人たちがいつもそばにいてくれる。
ちょっとライブやるから椅子貸してと近所の店に頼んだらすぐ貸してくれたり、お互い助け合いながらね。ここで知り合ったお客さんも男気のある人が多いです。この街には人との繋がりの中になんか温かいもんがあると感じます。だから住み心地がいいんやろなと思うんですよ」。


客さんを目の前に一人でギターの弾き語りライブを行う今のスタイルになってから、音楽に対する考え方も変わっていった。「それまでは遠慮してたけど、いくときはガーンといくといった風に変わりました。お客さんに何かを感じてもらうこと。それが一番大事やと。感じない音楽なんか音楽と思ってないから。僕はシンプルが好き。シンプルっていうのはね、本当に難しいと思ってるんですよ。ふらっとギター1本持って歌って、目の前の人に何かを感じてもらうっていうのは、究極やと思うんですよ。何人かいるバンドの中ではものすごくギターうまくても、その彼(彼女)が1人になった時、何ができるかですよ。例えば1人でアフリカに行って、さあ、あなたを表現してくれと言われた時、何ができるかというのと同じです。1人で歌って受け手の心が揺り動かされる。それはゴール地点みたいなもんです。僕はまだ第2コーナーやけど(笑)」

「だ
から店で歌う時も、ズルは絶対できないです。お客さんよう見てますから。すぐに見破られる。僕もお客さんの期待に答えよう、答えようと思ってる時はダメなんです。
こっちが無理したら、むこうも無理するんです。連鎖反応です。僕が一番いい時というのは、風邪ひいてる時、力抜けてる時です。力抜いて歌うというのがどんだけ難しいか。毎日ライブやってるけど、体調悪かったり熱ある時は力が抜けて、最高なんです(笑)。ほんとに。僕いっつも思うもん。おもしろいもんですよ。僕はこんな男ですと全部さらけ出して、いつも自分の言葉で歌いたい。そうでないとバレるんです。嘘ついてるのが見破られて『そげな男やったんか?』って言われたら、格好悪いじゃないですか」


情の温かさ、思いを伝えることの難しさ、男としての生き方・・・。そんないろいろなことを、なべさんはこの街で学んだという。今宵も彼のしわがれた、でも甘い歌声が、夜の闇に優しく溶けこんでいく。
(文/フリーランスライター・西松宏)

【なべさんプロフィール】
1953年京都府生まれ。74年矢野顕子(Vo&Piano)らと「ザリバ」を結成しトリオレコードからデビュー。解散後も東京を拠点にライブ活動を展開。80年来福後はスナックなどで弾き語りをしながら音楽活動を続ける。93年「酒音処なべ家」を親富孝通りに開店。00年店を春吉に移す。
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